第692歩 もしも月の重力だったら足はどうなる?【外反母趾.足育をはじめとした足の悩みの整体院 西船橋1分】

「月の重力は地球の約6分の1」・・・何をするのも楽そうですね。

もし人間が月で生活したら、もしくは約6分の1の重力で生活したら、足はどう変化するのでしょうか?

実は月のような低重力環境は、外反母趾や扁平足などの足のトラブルを考える上ではヒントになるのではないでしょうか。

なぜなら、足の変形や痛みの多くは「重力との戦い」の中で発生しているからです・・・。

もしも月の重力だったら足はどうなる?


足は重力に適応するための構造物

人間の足には26個の骨、33個の関節、100本以上の靭帯や筋肉が存在します。

これほど複雑な構造になっている理由はただ一つ。

二足歩行で体重を支えるためです。

地球上では立っているだけでも重力による負荷が足にかかります。

さらに歩行では体重の1.2~1.5倍、走行では2~3倍以上の床反力が発生します。

つまり足は毎日、歩数の分だけ何千回も、良く歩く方は何万回も衝撃を受けながら働いているのです!


月では外反母趾は進行しにくい?

外反母趾など足のトラブルは、歩行時に発生する力学的ストレスが積み重なった結果です。

これらは体重負荷によって助長されます。

月面では体重60kgの人でも実質10kg程度の負荷しかかからない・・・ということは

外反母趾など足の変形を進行させる力学的ストレスそのものが激減するのです!!さあ、月へ行きましょう!!


 

しかし!!低重力は脚・足を弱くする

しかしそう簡単にはいきません。そもそも月にも行けませんが・・・。問題もあります!!

人間の身体は負荷に適応して進化します。

骨には「ウォルフの法則」と呼ばれる性質があります。骨は負荷がかかるほど強くなり、負荷が減ると弱くなる・・・という性質があります。

実際に宇宙飛行士では長期滞在によって骨密度の低下が報告されています。だから宇宙ステーションではトレーニングが欠かせないんですね。

とくに足部でも、

  • 中足骨(甲の骨)
  • 趾骨(ゆびの骨)
  • 踵骨(かかとの骨)

などの荷重骨は徐々に脆弱化していくと考えられます。


土踏まずが消えてしまう?

さらに興味深いのは足部アーチです。

土踏まずは単なる隙間ではありません。歩行時の衝撃吸収とエネルギー保存を担うバネのような構造です。

しかし月面では衝撃吸収の必要性が大きく減少します。

すると、筋肉によるアーチ(土踏まず)支持機構が働く機会が減少していきます。つまり退化します。結果として筋力低下や靭帯の弛緩が進み、足の構造的な安定性が失われる可能性があります。


足に必要なのは「適切なストレス」

月面の環境を考えるとよく分かります。

足にとって問題なのは「負荷そのもの」ではありません。間違った歩行で負荷が大きすぎれば外反母趾や変形性関節症になります。

しかし重力が減って負荷が小さすぎれば骨も筋肉も退化します。

重要なのは、

適切な方向に、適切な量の力学的刺激を与えること。

これは外反母趾の改善にも共通しています。単に足を休ませるだけでは根本改善になりません。

足本来の機能を発揮できるように、正しく立ち、正しく荷重し、正しく歩くこと。それこそが足の健康を維持する最大のポイントですね。

月の重力は魅力ですが、やはり地球が過ごしやすいですね🌎

 


 


【著者プロフィール】 千葉県船橋市の足のケアセンター船橋代表・柔道整復師  認知症介助士。足の根本改善を専門とし、施術累計3万人以上の実績を持つ。患者様に足の仕組みを知っていただくこと、そして動作改善により、手術なし・テーピングなしでの改善を実現。足から健康寿命を延ばす「100歳まで歩ける日本」の実現を使命として、足育の普及にも取り組んでいる。

 

 

 

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