第768歩目 なぜ人は歩くとき腕を振るの!?【外反母趾.足育をはじめとした足の悩みの整体院 西船橋1分】

なぜ、歩くとき腕を振るの?
なぜ、歩くときに腕を振るのでしょうか?歩行というのは、足だけで行っているわけではありません。腕の動きも歩行と深く関係しています。

腕を振らずに歩いてみてください
ここで、ちょっと実験です。普段通りに歩いているとき、両腕を体の横にピタッとつけて、腕を振らずに歩いてみてください。
どうでしょう?
「なんだか歩きにくい……」「身体がぎこちない……」そんな感じがしませんか?
次に、腕の力を抜いて、いつも通り自然に振りながら歩いてみましょう。こちらのほうが、スムーズに歩けると思います。これにはちゃんと理由があります。
腕振りは「歩行を効率よくする」ため?
歩行中の腕振りについて調べた研究はいくつもあります。
例えば、2008年に発表された研究では、腕を振らずに歩いた場合、通常の腕振りに比べて歩行時の代謝コストが増加することが報告されています。
つまり、腕を動かさないようにすると、身体は歩くためにより多くのエネルギーを使う可能性があるということです。
また、別の研究では、腕振りをなくすことで歩行時の代謝パワーが5~6%増加し、腕振りが身体の安定性に関係している可能性が示されています。
さらに2021年の研究では、歩行速度がある程度速くなると、腕振りによって歩行時のエネルギーコストが約7~13%低下したと報告されています。
腕と足は、反対に動いている
歩いているところを思い浮かべてみましょう。
右足を前に出したとき、左腕が前に出る。左足を前に出したとき、右腕が前に出る。このように、腕と脚は左右反対のリズムで動いています。歩行中には、脚の動きによって身体に回転する力が生まれます。
そこで腕を反対方向に振ることで、その回転をうまく調整し、身体全体の動きをまとめていると考えられています。体幹のトルクが働いて足が出しやすくなるのです。
研究でも、腕振りによって身体の回転や地面との相互作用が変化し、歩行のエネルギー効率や安定性に影響することが示されています。
「足が動くから腕も動く」だけではなく、「腕と足が連動することで、歩行という動作がスムーズになる」ということなんですね。
腕を「大きく振ればいい」わけではありません
ここで一つ注意があります。「じゃあ、歩くときは腕を大きくブンブン振ればいいんですね!」ということではありません・・・。
大切なのは「自然な腕の動き」。肩に力を入れて「腕を振らな!」と頑張る必要はありません。むしろ、腕を無理に動かそうとすると、身体全体が力んでしまうこともあります。
まずは肩の力を抜いて、自然に歩いてみましょう。そのときに、腕がどのように動いているのかを感じてみてください。
歩くという動作は、足だけで完結しているわけではありません。腕も、肩も、背骨も、骨盤も、股関節も、そして足・・・身体全体がつながって、一歩を作っています。
だからこそ、「足をどう動かすか」だけではなく、「身体全体がどう動いているか」を見ることが大切なのです。さっそく、いまから歩く際には少しだけ腕に注目してみてください。
いつも何気なく振っているその腕が、あなたの一歩を陰で支えていますよ!
参考資料
- Effects of suppressing arm swing on kinematics, kinetics, and energetics of human walking — Umberger, Journal of Biomechanics, 2008.
- Effects of aging and arm swing on the metabolic cost of stability in human walking — Ortega et al., Journal of Biomechanics, 2008.
- Do humans exploit the metabolic and mechanical benefits of arm swing across slow to fast walking speeds? — Thomas et al., Journal of Biomechanics, 2021.
- Dynamic arm swinging in human walking — Collins et al., Proceedings of the Royal Society B, 2009.
あなたの足は大丈夫ですか?

