幼少~高校時代
同年代よりも体が小さかった幼少期、私は毎日のようにいじめられていました。仲間外れや暴力で、よく泣いていたことを覚えています。
そんな弱虫な私を、両親が空手道場へ無理やり連れていったのが小学校1年生の時です。嫌々道場へ通っていましたが、高学年になると強くなっていることを実感し始めて稽古に集中するようになりました。
しかし稽古では突き指や捻挫が多く、よく接骨院で治療を受けていました。
その頃は身体も大きくなり始め、踵の成長痛であるセーバー病に悩まされるようになります。
この病気はなかなか痛みが取れず、複数の病院や接骨院を回りました。
痛みが続く間は、空手の醍醐味でもある「組み手」も見学せざるを得ず悔しい思いをした記憶があります。
この痛みがようやく引いたのは、身体の成長が一段落した中学生の頃でしょうか…この時に正しい歩き方を知っていたら、もっと早く治っていたかもしれません。
空手の師匠は厳しくて怖かったです。少しでも手を抜くと見透かされて、大変恐ろしい叱咤が待ち受けていました。
しかし努力に対しては心強い激励があり、私の稽古熱に拍車をかけてくださいました。中学生の頃には全国大会で入賞することが当たり前ともなりました。更に師匠からは周囲の人達へ礼を尽くす事も教えていただきました。
道場へは高校3年生まで通い、大人になるための礎を築いていただいた気がします。
飲食店勤務から治療家へ
20代の頃は飲食店に勤めていました。
バーカウンターから始まり、その後テーマパーク型レストランのマネジメントや居酒屋の店長、調理場など店舗によって業務は多岐に渡りました。
当時の飲食店は労働基準が滅茶苦茶で、1日12時間以上、長いときには3ヶ月休みがないなど当たり前でした。
汗を流す為のシャワーと、仮眠をするために家に帰るようなものでした。
そんな生活を10年ほど続け、そしてついに30歳の時に、過労で倒れてしまったのです。
人生で初めての入院となりましたが、それが人生の大変大きな転機となる貴重な1週間でした。
ベッドの上では、自身との対話に時間を費やしました。いままでの仕事を振り返り、何かを達成できたか?誰かの役に立ったか?社会で自分がやれることはないのか?それまでは自分のことばかり考えて、行き当たりばったりで生きてきたが今後もそんな人生を続けるのか?漠然とした反省と不安に苛まれました。
そんな時ドクターや看護師さんなどたくさんの医療従事者の働く姿を目にし、人のために尽くす姿に感銘を受けました。私も医療の世界で人の為に尽くしたいと思ったのです。
お見舞いに来てくれた従兄弟が柔道整復師でしたので、そんな気持ちを吐露すると「じゃあ、一緒に治療家をやろうよ。」と不安な私の背中を押してくれました。
そしてその翌年31歳の時に、柔道整復師養成の専門学校へ入学しました。
3年後に国家試験に合格したのちに、在籍している整骨院グループで院長を任せていただくまでになりました。
足を正せば全身が整う
整骨院では、患者さんの体の痛みに対し、手技療法を施します。症状が改善出来たときや、患者さんの楽しそうな笑顔を見られた時には充実感に満たされます。
しかし逆に症状が全く取れず悔しい思いをしたこともあります。その都度外部にて手技療法や座学を学ぶことを繰り返しました。
しかし臨床現場での経験が15年を過ぎたあたりからあることを思い始めます。
「急な怪我はしかたないとしても、足、腰、首などの痛みはほぼ生活における姿勢が原因ではないか。」さらに突き詰めると「それらの原因は足にあるのではないか。」と考えるようになりました。
ほとんどの方が、土踏まずの方へ体重をかけているが、いいのか?これは、良くないのです。足の形が変動して開いてしまうのです。すると足の疾患が生まれる。そしてその上体もバランスをとる為にズレが生じる。それが首・肩・腰などなどの不調につながるのです。
「足を整えれば全身が整う」ということです。
骨盤付近の関節を調整する「髙野式整体」で全身を調整し、動作しやすくします。そして足の正しい使い方、つまり姿勢・動作改善の「新メソッド」を加えて、足から全身を整えます。
地域貢献を目指して
今後は外反母趾をはじめとした足の疾患で悩んでいる方たちへ、正しい姿勢や歩き方を指導して根本から解決へ導いて行きたいと思います。
同時に「足育」(あしいく、そくいくと読みます)と呼ばれる、子供たちの足が正しく成長するように導かなければと考えています。子供は裸足で行動することで、足裏から脳へ情報が行き、全身の機能が発達します。ところが今は靴を履く文化です。靴が合っていないと、脳へ情報が正しく伝わらず成長が遅れます。未来を担う子供たちが少しでも体の不具合で悩まないようにしたいです。
そして今後日本は超高齢化社会に突入します。大人たちも健康でいられる「健康寿命」を絶対に延ばす必要があります。
私が提供する新メソッドと髙野式整体によって、地域の健康寿命を延ばしたい。そのような思いから「足のケアセンター」を船橋に開院することにいたしました。
皆様が当院にて足の重要性・歩き方の影響に気づいてもらえますよう、そして地域の人たちが健康で楽しく穏やかに暮らしていけることを願っております。